ティッシュの呼び方についての謎<その2>

前回はティッシュのコマーシャルにおいてティッシュのことを「ティシュー 」と呼ぶ謎(詳しくは前回のコラムにて)について迫ってみましたが、そこはさすが日用品の中でも群を抜いて使用頻度が高いアイテムであるティッシュ。

今回は「ティシュー 」のように、やや業界用語に近い呼称のほかにも様々な呼び名が存在しますのでご紹介してまいります。

■ちり紙(ちりがみ)

昔から比較的馴染みのあるこちらの呼び名。
もともとは「和紙を保護するための紙」として作られていた紙をこう呼ぶことが由来であり、その当時から、ものを包んだり鼻をかんだりなど、そのポテンシャルを遺憾無く発揮していましたが、現在はティッシュペーパーにその座を譲りその名前だけが名残として残っているようです。
ティッシュペーパーのほか、トイレットペーパーに対してもこの名前が使われる(例:「ちり紙交換」)こともあり、本来の「ちり紙」がいかに便利な存在だったかを知ることができます。

■鼻紙(はながみ)

文字通り「鼻をかむための紙」というストレートすぎる由来からこう呼ばれます。
あまりにもそのまますぎるこの呼び名。
いつ頃からこう呼ばれていたのかについては不明ですが、どことなく江戸っ子気質や上方(近畿)の商人気質を感じされられます。
これが「粋」というものでしょうか?

■懐紙(かいし)

あまり馴染みはないかもしれませんが、こちらもティッシュを呼ぶ際の呼称のひとつです。
着物の着用が日常的なものであった江戸時代などには常に懐に忍ばせておく紙ということで親しまれており「拭く」という用途のほか、ものを包むのに使用したり、メモ代わりに使うなど、この当時から利便性の高さには定評があったようですね。

今回、その呼び方について色々と調べてみたところ、ティッシュというものは古くから多くの人に馴染みがあるものであるということを再確認することができました。
SNS全盛期の現在、日々新しい言葉が生まれていますがそのうちティッシュの新しい呼び名が生まれる日が来るのでしょうか。